会長挨拶

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会長就任のご挨拶

一般社団法人 日本自動車タイヤ協会

会長 山本  悟

5月21日に開催されました定時総会を経て、JATMAの会長に就任することとなりました山本でございます。山石前会長を引き継ぎ、JATMA会長としての任を果たしてまいります。

就任に先立つ二年間は新型コロナウイルス感染症への対応を、緊急時から平常時におけるものへと移行させる期間でした。沈静化しつつある現在の状況が、さらに終息へと向かうことを強く願っております。

会長が代わろうともJATMAの役割が変わることはありません。自動車タイヤはモビリティの主役たる自動車の最重要部品の一つです。その自動車タイヤに求められる役割は「安全」と「環境」です。このことはいつの世にあっても不変です。

一方で、この世界は日々大きく変化しています。どのような安全や環境を目指すべきなのか、このことは社会の持つ価値意識に大きく依存します。そして社会は時々刻々と変化しています。

変化し続ける社会の中で、今、タイヤに求められる安全と環境とは何なのか。我々は常にこのことを考え続け、社会が求める安全と環境を、事業活動を通じて提供していく必要があります。

JATMAの活動も、こうした考えに沿ったものとなるでしょう。安全という視点ですが、社会は時代を経るに従ってより高度な安全を求めるようになっています。タイヤに係る国連規則の規定は、今後とも強化される方向での議論が続くでしょう。JATMAとして、こうした国際的な議論に参画し、我々の意見を反映させるべく、これまで以上に取り組んでいく必要があります。

国内においては、タイヤの空気圧管理の適正化は未だ大きな課題です。山石前会長が先鞭をつけたwebの活用といった効率的な普及・啓発活動を進めていくことはとても重要です。同時に、対人接触に制約が残る中ではありますが、路上でのタイヤ点検といったユーザーと直接触れ合う機会も大切にしたいと考えています。私自身も、JATMA会長としてこうした取り組みに積極的に参加してまいります。

環境を巡る社会の変化は本当に急激です。我々のような社会の中での活動主体に対し、その活動によって生じる環境負荷低減の求めは年を追うごとに強まっています。その最たるものが気候変動への対応のための二酸化炭素排出量の削減です。我々自動車タイヤ製造事業者としても避けて通れない課題であり、日本政府が掲げた2050年カーボンニュートラル実現との目標達成に向け最大限の協力をしていきたいと考えています。

TRWP問題への対応も非常に重要な課題です。TRWPに対する規制について、国際的な自動車関連の基準調和フォーラムであるUNECE/WP29においては導入の方向で既に議論が進められています。規制導入の前提となるタイヤの摩耗試験法の開発やその国際規格化を着実に進め、何としても完遂させたいと考えています。

上記以外にも課題は山積しています。不変の目標である安全と環境の下で、社会の変化に対応して具体的検討課題を設定し、その実現に向けてJATMAとしての活動を実施してまいります。JATMAの会長として、私自身も与えられた職責を全うすべく全力を尽くす所存です。関係の皆様方におかれましては、引き続き、暖かいご支援ご鞭撻をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。