くるまを支えるのはタイヤくるまを支えるのはタイヤ

タイヤのおはなし

乗用車タイヤ編

 

これだけは憶えておきたい
タイヤのきほん ""

タイヤは空気圧

タイヤを上手に、そして安全に使うためにもっとも重要なのは、「適正な空気圧」です。

空気は漏れる

タイヤに充てんした空気は、何もしなくても自然に漏れ、空気圧は下がっていきます。

月1回の点検を!

必要なことは、月1回のタイヤ点検。これだけで、安全性・経済性がぐっと上がります!

本ページでは、タイヤにまつわる「知っておきたいこと」をまとめています。
中でも重要なのは、上記の「きほんのき」。月1回のタイヤ点検、ぜひ憶えておいてください。

タイヤは自動車の走行装置であり、4つの重要な役目を果たしています。

タイヤの役目
タイヤの4つの機能

自動車の質量を支える

タイヤは、内部に充てんされている空気により、自動車や荷物等の質量を支えています。

例)
<205/60R15 91H>の「91」はタイヤが1本で615kgの質量を支える能力があることを示しています。

駆動力、制動力を路面に伝える

路面の凹凸等から受ける衝撃を和らげる

自動車の方向を転換、維持する

車両にぴったりマッチした組み合わせで安全・快適にご使用下さい。

タイヤを新しくお選びになるときは

チューブレスタイヤ/チューブ付タイヤ

全車輪とも、同じサイズ(ロードインデックス及び速度記号を含む)、種類、構造、タイプのタイヤを選定して下さい。

(但し、自動車製作者又はタイヤ製作者による個別の指示がある場合はその指示に従って下さい。)

警告

① サイズ、種類、構造、タイプの異なるタイヤを同一車軸に使用すると、タイヤ性能が異なるため事故や車両故障のおそれがあるので、混用しないで下さい。

② タイヤサイド部に回転方向または取付け方法などの指定があるタイヤは、その指定の通りに正しく装着して下さい。

③ リ・グルーブ、穴あけ等再加工をしたタイヤは、損傷したり、事故になるおそれがあるので、使用しないで下さい。

チューブ付タイヤ

チューブは次の基準により選んで下さい。

バルブ/バルブコア

チューブレスタイヤには、チューブレスタイヤ用ホイールを使用し、バルブは車両及びホイールに適合するものを使用して下さい。

(新品チューブレスタイヤには新品のチューブレス用バルブの使用を推奨します。)

ホイール

ホイールの選定は販売店に相談し、タイヤのサイズに適合したものを使用して下さい。

走行時の安全を確保するために、必ず日常点検・整備を行って下さい。

ふだんこれだけは心がけたい
「タイヤの日常点検・整備」

タイヤは適正な管理(整備)で使用された場合に、はじめて自動車の走行装置としての役目を果たしますが、それらが不適正な場合、タイヤの機能が低下するばかりでなく、種々の損傷を起こす原因になります。タイヤのご使用者は、走行時の安全を確保するために、必ず日常点検・整備を行って下さい。

空気圧の過不足はタイヤ損傷を招きます。

タイヤは適正な空気圧(自動車製作者またはタイヤ製作者の指定空気圧)が充てんされて初めて充分な性能を発揮します。空気圧に過不足があると、タイヤが損傷したり、事故につながるおそれがあります。タイヤの空気圧は、徐々に(自然に)低下します。このためスペアタイヤも含めて最低1ヶ月に1度は空気圧の点検を行って適正な空気圧を維持して下さい。

1. 空気圧不足によるタイヤの損傷

空気圧が不足すると、タイヤの負荷能力は低下します。また、タイヤ各部の動きが大きくなるためタイヤが異常発熱し、その熱によりコードやゴムが劣化して、次のような損傷や現象を起こしやすくなります。

  1. はく離(セパレーション)やコード切れ(C.B.U.)
  2. ホイールからタイヤビード部が外れやすくなる
  3. 偏摩耗(タイヤの両肩部が摩耗しやすい)

2. 空気圧過多によるタイヤの損傷

空気圧が過多になると、タイヤは異常な緊張状態になるため、その緩衝能力が低下し、次のような損傷を起こしやすくなります。

  1. 衝撃傷や切り傷を受けやすくなる。
  2. 偏摩耗(タイヤの中央部が摩耗しやすい)

3. 適正な空気圧を保つためには

警告

① タイヤの空気圧は、走行前の冷えている時にエアゲージにより定期的(最低1ヶ月に1度)に点検し、自動車製作者またはタイヤ製作者の指定空気圧を基準とし、0~+20kPaの範囲内に確認・調整して下さい。指定空気圧は自動車の取扱説明書または車両のドア付近のプレート等に明示されています。


指定空気圧は、印部に表示されています。
車種によってプレート位置が異なりますのでご使用のお車でお確かめ下さい。

② 高速走行時の空気圧が自動車の取扱説明書で指定されている場合は、その指定に従って下さい。
高速回転によるタイヤの波打ち現象(スタンディングウェーブ)を防止するためです。

スタンディングウェーブ
空気圧不足の状態で高速走行した場合に生じるスタンディングウェーブ現象
※視認性を高めるためにサイドウォール部に着色(ラインを追加)しています。

③ 偏平タイヤの空気圧不足は見た目から分かりづらいため、必ずエアゲージによる点検をして下さい。

④ 最高限度を超える空気圧を充てんしないで下さい。乗用車用ラジアルプライタイヤの最高空気圧は、350kPa(3.5kgf/cm2)です。但し、Tタイプ応急用タイヤの空気圧は420kPa(4.2kgf/cm2)になります。

⑤ 走行中、タイヤの発熱により空気圧は高くなりますが、増加した分の空気は絶対に抜かないで下さい。タイヤが冷えると空気圧は元に戻ります。

⑥ バルブへの泥水の浸入による空気漏れを防ぐために、バルブキャップを必ず取り付けて下さい。

残り溝 1.6mm 未満のタイヤは使用できません。

金属片やガラス等で傷を受けたタイヤは走行中破損するおそれがあります。

偏摩耗抑制のため、タイヤの位置交換(ローテーション)をしましょう。

ホイールバランスを調整しましょう。

スペアタイヤの点検もお忘れなく。

他にこれだけは心がけたい事項。

長期経過タイヤの点検・交換について。

 

ふだんこれだけは心がけたい
「安全走行」

新品タイヤは、ならし走行を。

タイヤは、新品時から急激に過酷な条件で使用すると異常発熱による損傷を起こしやすくなります。従って、新品タイヤは右表の目安でならし走行をして下さい。また、タイヤ交換後は、今まで使用していたタイヤと特性が異なる場合があるので、その運動特性に慣れるまで慎重な運転が必要です。

乱暴な運転はやめましょう。

タイヤの側面を道路の縁石に接触させない。

走行中に異常を感じたときは、ただちに安全な場所に寄せて停車し、原因を確認して下さい。

安全確保のため、状況に応じた速度と運転を。

スノーシーズンに入ったら、特に心がけましょう。

積雪路・凍結路での走行上の注意

積雪路及び凍結路では都道府県公安委員会制定の道路交通法施行細則(または道路交通規則)により、滑り止めの措置を講ずるよう義務づけられています。冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、シビアスノータイヤ、スノータイヤ)、タイヤチェーン等は滑り止めの措置を講じたものと認められています。

冬用タイヤ

1.スタッドレスタイヤ

過酷な凍結条件下の路面においても使用可能な性能を有するように特別に設計された冬用タイヤです。
低温でも“しなやかさ“を失わない特殊配合ゴムを使用し、タイヤの溝の形状等新たな工夫を加え、凍結路における走行性能をできるだけ高めています。

2.シビアスノータイヤ

過酷な積雪条件下の路面においても使用可能な性能を有するように特別に設計された冬用タイヤです。

3.スノータイヤ

積雪路における自動車の走行開始、維持又は停止の際にノーマル(夏用)タイヤよりも優れた性能を有するように設計された冬用タイヤです。

使用上の注意

運転上の注意

タイヤの種類と構造

タイヤの基礎知識
タイヤの種類と構造

タイヤの表示

タイヤの呼び(寸法)

タイヤの構造と部分名称

タイヤの構造

 

法令で定められているタイヤ点検

自家用乗用車等の日常点検基準(「自動車点検基準」より)

点検箇所 点検内容
2 タイヤ
  1. タイヤの空気圧が適当であること。
  2. 亀裂及び損傷がないこと。
  3. 異常な摩耗がないこと。
  4. 溝の深さが十分であること。

日常点検の実施方法(「自動車の点検及び整備に関する手引」より)

 

交通事故及び路上故障統計

ドライバーによる原因

〔「公益財団法人 交通事故総合分析センター 交通統計令和2年版〕より〕

安全運転義務違反が第1位。安全不確認やわき見運転等のちょっとした不注意が事故につながっているようです。

道路や交通条件による原因

高速道路における故障発生原因

タイヤ整備不良の内訳